興味がある/ない、時間がある/ない、で差が出ると思いますが、質問をされたり問題を出されたりして即「わからない」と言ってしまう人の反応が気になってしまいます。
というのも、これは「わからない」ではなくて、「知らない」と言っているからなんです。
「知らない」のは悪いことではありません。人間、生きていく上で得られる知識の数なんてほんの少しですから。気になるのはそこではなく、考えるかどうかです。
考えることの大切さ
突然ですがここでクイズです。「ト音記号」というのがありますが、これ、アルファベットの文字が元になっています。さてどの文字でしょうか?ご存知の方は知らなかったと仮定して読み進めてみてください。
「さてどの文字でしょうか?」
「わかんねっす(即答)」
…これです、これ。わからないんじゃなくて「知らない」でしょ。知らないことに直面したらすぐ「わからない」と投げて答えを教えてもらったり、放置。どちらにせよ考えていない点が気になります。
ではどうするか。
まずはとにかく考えてみましょう。結果的に回答まで辿り着けなかったとしても、その過程で得るものは多いのです。
ということで、自分の知っている様々な知識で関係しているものを集め、推測してみます。
とりあえずアルファベットのどれかであることは確定しているわけですから、その中からまず違うだろう、と思われるものは削除しておくのも手です。例えば「 I 」とか違いますよねきっと。似ている形ってどれだろうか?
そして「ト音記号」という奇妙な言葉に着目してみます。
「ト音」の「ト」とはなんだろう?一文字だけカタカナってのがひっかかります。音楽の記号だから音楽に関連しているはずです。では「ト」ってなんだろう?
ここで音名を知っている場合、気付くかもしれません。日本語の音名はイロハニホヘトで表します。
なるほどこの「ト」が怪しい。
「ト」は英語やドイツ語では「G」。Gか!
まあ、こんなスムーズに話が展開するかはわかりませんが、考える道筋の例でした。
途中まででも道が見えてくれば、もしかするとちょっと質問したら答えに辿り着けるかもしれません。
ずいぶん古い話なので若い方にはわからないと思いますが、僕が中学生の頃、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さん率いるバンド「クライズラーアンドカンパニー」が結構流行ってまして、同時期に、それよりももっとアナログ感のある「Gクレフ」というバンドがありました。このGクレフという名前が何なのかわからず調べたら「ト音記号」のことだったので、僕の場合はそこで「ト=G」を覚えました。
ついでに、低音楽器に使われる「ヘ音記号」の「ヘ」も、ヴィオラに使われる「ハ音記号」の「ハ」も同じ考えですし、次に生まれる疑問としては、それらのアルファベットと五線上の音の高さの関係だと思います。
このようにして疑問が出てきたら考えたり調べたりすることで、そのうちに様々なものが関連し合っていることに気付き、ひとつの大きな知識の塊になります。
音楽理論も、どうしても複雑でめんどくさいと思いがちですが、例えば「調」はたくさんあって覚えるのが大変!と思うかもしれませんが、その仕組み、原理などが理解できると実は一気に全部わけるようになります。そうした知識の量は実際の演奏において「深味」や「説得力」に影響が出てくるのです。
音楽のブログなので音楽に関連した話になっていますが、自分の興味のあること、追求したいことに関して、わからないことがあったら放置せずにぜひ調べたり関連性を見つけてたどってみてください。
ということで今回はここまで。
それではまた来週!
荻原明(おぎわらあきら)
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